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2000 年度 実績報告書

農村生態系における生物多様性を保全するための屋敷林の役割

研究課題

研究課題/領域番号 12680559
研究機関岩手大学

研究代表者

竹原 明秀  岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (40216932)

研究分担者 平吹 喜彦  宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (50143045)
三浦 修  岩手大学, 教育学部, 教授 (80004480)
遠藤 教昭  岩手大学, 人文社会科学部, 助教授 (10194044)
キーワード屋敷林 / パッチ構造 / 種多様性 / 落葉広葉二次林 / 岩手県胆沢町 / スギ林 / 微地形
研究概要

1.屋敷林の群落学的・種多様性の分析
岩手県胆沢扇状地において、屋敷林の広がりと林冠や林縁構成種を調査し、段丘面ごとの相違を明らかにした。その結果,75%の民家で屋敷林を構え、古い段丘面の民家ほど厚みのある屋敷林を有していた。屋敷林の林冠構成種はほとんどがスギで、次いでクリ、サワラ、カスミザクラなどの32種(1屋敷林あたり2.1種)であった。林縁構成種はサワラ、マント植物群、アズマネザサなどであった。他方,大型で厚みのある屋敷林で詳細なフロラ調査を行った。各階層の平均出現種数は高木層5.4種、亜高木層4.3種、低木層19.1種、草本層41.3種となり、1屋敷林あたり50種前後のフロラを有していた。これらを周辺丘陵地の落葉広葉二次林と比較した。その結果、明らかに屋敷林の方が種多様性が高かった。なお、落葉広葉二次林にはアカマツ型、コナラ型、オニグルミ型、ハンノキ型が識別され、微地形と海抜高度がその成立に係わっていることが示唆された。これらと残存する原植生との関係から、人為圧下の植生変遷を見積もる基準を構築する計画がある。
2.屋敷林の立地環境の分析
屋敷林を森林のパッチとして捉え、そのサイズの空間的分布パターンと立地環境との関係を明らかにした。両者には明瞭な関係があり、低位の段丘面から高位の段丘面へと屋敷林のサイズは大型化した。これは散居や屋敷林の成立と係わり、新たに植栽することによって作られたパッチ(導入タイプ)と開墾時に森林を残すことによって作られたパッチ(残存タイプ)の2タイプが明らかになり、屋敷林の存在様式を再構築することが可能となった。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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