ミヤマハンノキを種子から発芽させ、苗を育生し幼苗を数多く得ることができた。平成12年度に育生した幼苗は移植の結果、越冬できる個体は野外では少数であった。12年度は苗の育生のために新たに土壌中で分解するポットを用いた。ポットごと移植した個体は生存率が高く、これらを生長量の測定、N固定量の測定に用いた。その結果、年間の生長量は前年度に比較し2〜3倍の値を示した。さらにN固定能も2年生(越冬個体)は高く、時間の経過とともに空気中のNを固定し、土壌中にNが増加する可能性が示唆された。12年度の結果として種子採取法と保存法がほぼ確率しているため、それにそって採取を行い、新たな実験用実生を得た。 圃場実験とともに富士山表富士5合目でミヤマハンノキのリーターと土壌中のNの増加について現地調査と葉および土壌のN・Cの分析を行った。他の落葉樹に対して、ミヤマハンノキは土壌へのN供給源として大きな役割を果していた。移植個体においてもその可能性は高かった。
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