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2001 年度 実績報告書

大学におけるPRTR適用の試み

研究課題

研究課題/領域番号 12680570
研究機関京都大学

研究代表者

高月 紘  京都大学, 環境保全センター, 教授 (80026228)

研究分担者 水谷 聡  京都大学, 環境保全センター, 助手 (80283654)
キーワードPRTR / 科学物質管理 / マテリアルフロー / 揮散 / 実験廃液 / 有機溶媒 / 有害性 / 環境マネージメント
研究概要

本研究において、薬品納入業者に対する納入量調査、研究室への薬品の使用実態に関するアンケート調査、有機廃液処理施設に搬入される廃液の分析調査、ドラフトでの揮散量調査など、京都大学における化学物質の利用実態とフローを把握するにあたって多面的な調査を行い、以下の知見を得た。
納入量調査を通じて、PRTR法で規制対象となる354物質のうち、京都大学内で年間1トン以上使用されている化学物質は、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリルの5物質となることが分かった。使用された後のこれらの化学薬品は、実験廃液として大学の有機廃液処理施設に搬入・処理されており、搬入される廃液について各化学物質濃度を測定した結果、薬品使用量の41%〜118%の量が処理されていることが確認された。なお排水として移動する量は使用量の1%以下であった。またビーカーに入れた有機溶媒をふたをしない状態でドラフト中に静置したところ、4時間で19%〜53%が揮散する結果となり、実験担当者へのヒアリング結果をふまえると、実験プロセスで使用する有機溶媒の10%程度が大気中に揮散していると推定された。化学物質の環境中への放出量を減らすために、実験プロセスにおける薬品の取扱方法や、廃液タンクの管理方法など今後検討することが求められる。
またPRTR法の対象となる5物質について、使用量の多い上位10番目までの研究室を選ぶと、大学全体での使用量の55%〜88%を占めており、化学物質を大量に使用する研究室が限られていることが明らかとなった。このように特定の化学物質を大量に使用している研究室に対して重点的に環境安全面での管理を行うことにより、大学全体としてより望ましい環境管理の仕組みを構築できることが期待される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 高月紘: "廃棄物と環境教育・環境学習"廃棄物学会誌. 第11巻3号. 223-231 (2000)

  • [文献書誌] 高月紘: "医療廃棄物の適正処理について"臨床病理レビュー. 112号. 1-4 (2000)

  • [文献書誌] 高月紘, 酒井伸一, 水谷聡, 真島敏行, 本田由治: "大学の研究活動と化学物質管理-PRTR法の適用に向けて-"環境保全. No.15. 11-35 (2000)

  • [文献書誌] 高月紘, 酒井伸一, 水谷聡, 鈴木靖文, 平井康宏, 浅利美鈴, 河井紘輔: "大学の研究活動と環境管理〜大学キャンパスのISO14001認証取得〜"環境保全. No.16. 65-78 (2001)

  • [文献書誌] 水谷聡: "京都大学における化学物質管理の現状と課題"大学等廃棄物処理施設協議会会報. 第19号. 103-106 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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