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2001 年度 実績報告書

使用中は分解せず使用後に速やかに分解する生分解性プラスチックの創成

研究課題

研究課題/領域番号 12680578
研究機関金沢工業大学

研究代表者

大澤 敏  金沢工業大学, 工学部, 助教授 (50259636)

研究分担者 小川 俊夫  金沢工業大学, 工学部, 教授 (50183249)
キーワード生分解性プラスチック / 表面処理 / ポリ乳酸 / ポリカプロラクトン / ポリブチレンサクシネート
研究概要

ポリ乳酸(PLA)とポリカプロラクトン(PCL)にコロナ放電処理を施すとPLAでは、分解が抑制され、PCLでは分解が促進されることが昨年度の研究で明らかになった。本年度は表面の化学構造と微生物の親和性や分解性との関係を化学修飾法やESCAによる表面分析により調べた。PCLについては含酸素官能基(-OH、-COOH、>C=O)の導入による濡れ性の向上と微生物との親和性向上により分解が促進されたと結論した。PLAについては表面処理により-OH、-COOH、>C=O以外に微生物との親和性を阻害すると思われるペルオキシド基やエポキシ基が導入ることが分かったもののその割合は〜0.15%と少なく微生物との親和性低下の主要因とは考えにくかった。PLA処理表面では乳酸が生成されており、乳酸の抗菌性が分解を抑制すると考えた。従ってコロナ放電処理で分解が抑制されるのはポリ乳酸特有の現象であると考えた。他の代表的な生分解性プラスチックであるポリブチレンサクシネート・アジペート(PBSA)についても放電処理を行ったところ、分解が促進されることが分かった。PBSAの場合にも濡れ性が向上し微生物との親和性も向上した。このように、コロナ放電処理によりPBSAの分解が促進されたのはPCLと同様の理由によるものであった。逆に、PCLやPBSAの分解を抑制することはコロナ放電処理による官能基の導入では達成できないと考えた。そこで、PLAの例を参考にしてPCLの分解を抑制する手法として、表面に天然抗菌物質をコーティングすることを試みた。その結果、微生物との親和性が低下し分解を抑制することができた。このように表面と微生物との親和性を何らかの方法で制御すれば分解期間を制御し得ることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大澤敏, 横山高大, 花田宗玄, 小川俊夫: "コロナ放電処理による生分解性プラスチックの分解制御"高分子論文集. 58. 581-587 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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