研究課題/領域番号 |
12680590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森井 孝 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助手 (90222348)
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研究分担者 |
牧野 圭祐 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (50159141)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | DNA結合 / DNA認識 / 分子認識 / αヘリックス / 二量体 / プロテインデザイン / 金属イオン / フォールディング |
研究概要 |
本研究は、生理条件下でDNA結合活性をもち、生体内シグナル分子の種類や濃度変化に応じて塩基配列選択的にDNAをターゲッティングできる新しい機能性スモールプロテインを創成することを目的とした。そこでBRペプチドが特定の塩基配列を有するDNA結合時にαへリックスへと構造転移を行う現象に注目し、(1)生理条件下で安定な折り畳み構造をとる新しいDNA結合ドメインを既存のタンパク質の三次元構造をもとにして設計する、(2)BRペプチドの構造転移とヘリックス構造の安定性を金属イオンとの相互作用により変化させてペプチドのDNA結合および塩基配列特異性を制御する、というアプローチを行った。 熱的に安定な新しいフォールディング構造を持つDNA結合ドメインの設計は、三次元構造が明らかになっているvillinをもとにして行った。GCN4とDNA複合体の三次元構造をもとにして、villinが安定に折り畳み構造をとるための疎水性アミノ酸は保存したまま、塩基配列認識に必須なアミノ酸をC末端側に延長したvillinαヘリックスの外側に導入した。またvillinドメインをもとにして作製したDNA結合部位にロイシンジッパー部位を導入し、天然のロイシンジッパータンパク質GCN4とのDNA結合活性の比較を行った。様々なDNAとの複合体の安定性および選択性、そして複合体生成の速度論的解析をゲルシフトアッセイおよび表面プラズモン測定法により測定することにより、lnduced FitとRigid Bodyでの結合様式の違いによって、DNA塩基配列認識能が変化することを見いだした。このDNA結合ドメインの疎水性コア中のアミノ酸を改変することにより疎水性コアの安定性がコントロールできるため、DNA結合活性を温度より制御できることが期待される。 金属イオン依存的にフォールディング構造を取るDNA結合ドメインは三次元構造の明らかになっているZif268に由来するC2H2タイプZnフィンガードメインを用いた。ここで得られるDNA結合ドメインは金属イオンの種類または濃度に依存して、フォールディングパターンを変えることが予想でき、ランダムコイル状から安定なDNA認識ヘリックスへ、金属イオンという外部シグナルにより構造を制御できる。この金属イオンにより構造を制御できる新しいDNA結合ドメインを用いて、現在Induced-Fitによる構造転移を行うドメインとフォールディング構造を取るドメインとのDNA結合能・認識能を比較Lている。
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