• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

ポストゲノム解析における人工遺伝子機能制御物質の分子設計と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12680599
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

戸嶋 一敦  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60217502)

キーワードDNA / DNA切断 / エンジイン / ネオカルチノスタチン / インターカレーター / 糖 / ハイブリッド分子 / 光
研究概要

遺伝子DNAと特異的な相互作用を有し、遺伝子機能を制御する人工設計分子の開発は、ポストゲノム解析における極めて重要な研究課題である。本年度の研究においては、金属種などの添加剤を必要とせず、特定波長の光を照射することで、温和な条件下、DNAを塩基選択的かつ効果的に切断する新たな人工DNA切断分子を開発した。エンジイン系抗生物質ネオカルチノスタチン(NCS)(1)の活性本体であるネオカルチノスタチン・クロモフォア(NCS-C)は、チオールの求核反応をトリガーとして、DNAを切断することが知られているが、また、光照射をトリガーとしてもDNAを切断し、その切断における塩基選択性は、チオールの求核反応をトリガーとしたDNA切断の場合と異なることが知られている。本研究においては、光照射によるNCS-CのDNA切断とエンジイン構造との関係を明らかにし、新たな人工DNA切断分子を創製することを目的とした。すなわち、NCS-Cのエンジイン部分を有しない、糖と芳香環(インターカレーター)部分をエチレングリコールを介して連結した人工ハイブリッド分子2αおよび2β(2αおよび2βは、糖のグリコシド結合におけるアノマー)を設計、合成し、DNA切断活性を評価をした。その結果、2αおよび2βが、365nmの光照射下でDNAを切断することを見い出した。一方、2αおよび2βの構成成分である芳香環および糖部分には、DNA切断活性が全く無いことが確認された。このことから、NCS-Cの光照射によるDNA切断においては、エンジイン部分を有しない糖-インターカレーター複合型構造が関与していることを明らかにした。さらには、糖のグリコシド結合の立体化学が、DNA切断活性に影響すること、および、2αおよび2βは、DNAをグアニン選択的に切断することを見い出した。これによって、新たな光駆動型の人工DNA切断分子を創製することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Toshima: "Chemical Synthesis and DNA Photocleavage of the Intercalator-Carbohydrate Hybrid Moiety of the Neocarzinostatin Chromophore"Angew.Chem.Int.Ed.. 39・20. 3656-3658 (2000)

  • [文献書誌] K,Toshima: "Carbohydrate-Modulated DNA Photocleavage : Design, Synthesis, and Evaluation of Novel Glycosyl Anthraquinones"Bioorg.Med.Chem.Lett.. 10. 2163-2165 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi