1 抗α1-アンチトリプシンマウスモノクローン抗体Fab'断片の大腸菌発現系を確立した。より強力なリボソーム結合配列(SD配列)の採用や培養条件の検討によって、Fab'断片の発現量を約10倍増加させることができた。 2 ヒンジ部位に残した単一のシステイン残基を蛍光標識し、アガロースゲル等電点電気泳動によって精製することにより、等電点の均一な蛍光標識Fab'断片を得る方法を確立した。 3 PCRによる変異導入の際に、目的とする変異のみを確実に導入する方法を確立した。鋳型として、配列の信頼性の高いプラスミド由来のDNAを大量に用い、PCRによる増幅量をできるだけ少なくするとともに、校正能力を持つ耐熱性DNAポリメラーゼを使用することにより、極めて信頼性の高い変異導入が行えるようになった。 4 脱アミド反応が起きやすいと報告されているセリンまたはグリシンのN末端側に位置するアスパラギンに注目し、アスパラギンをセリンに変換した改変体を5種作製した。作製した変異体の塩基配列を調べた結果、目的とする変異のみが導入されていることを確認した。
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