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2000 年度 実績報告書

原子間力顕微鏡と組み換え蛋白質を使った筋分子モーター作動メカニズムの一分子解析

研究課題

研究課題/領域番号 12680660
研究機関東京理科大学

研究代表者

山田 武範  東京理科大学, 理学部, 教授 (50027330)

研究分担者 小田 由紀 (国岡 由紀)  東京理科大学, 理学部, 助手 (10318199)
キーワードミオシン / 原子間力顕微鏡 / 単一分子計測・操作 / 一分子解析 / モータータンパク / 分子モーター
研究概要

本研究では、ミオシンヘッドにおける力発生メカニズムを解明するため、遺伝子操作によってミオシンヘッドにタグを導入し、そのタグを原子間力顕微鏡(AFM)の探針で捕らえ、微小な構造変化を、化学反応のタイミングと共に測定することを目標としている。
そのため、現有のAFMに、まず、ナノメートル精度で駆動できるステージを設計、製作し組み込んだ。次に、単一蛍光分子が2波長で観察可能となるよう、レーザー、フィルター・ミラー類、微弱光検出システムを組み込んだ。
以上のように改良をした装置で、微小変位計測と微弱光検出が同時にできることを確認した。
次に、試料の固定方法を検討した。AFM探針と試料基板の間に、非特異的相互作用がないよう、両者ともマイナス電荷を持つよう化学処理をした。しかし、この処理をした場合でも、アプローチの際の押し込み量が大きいと、AFM探針と基板の間に結合力が生じることがわかった。このため、これを回避するためのアプローチ方法を工夫し、2000年9月の生物物理学会で報告した。
こうして、まず、試料基板に遺伝子操作で特異的結合部位を導入したミオシンヘッドを使って、ミオシンヘッドをネック部分で特異的に結合させ、これに蛍光性ATPを加えて観察を行った。その結果、蛍光性ATPが基板に結合して輝点として観察できる場所にミオシンヘッドが結合していることを確認できた。次に、ステージを微小にスキャンさせそのミオシンヘッドの場所に探針をゆっくり近づけた。探針がステージとともに動き始めたところで、探針をわずかに押し込み、その後引き上げる。こうしてミオシンヘッドに微小な張力をかけ、ブラウン運動を抑えた状態で、連続測定が可能となった。この測定方法について、2001年3月の応用物理学関連連合講演会で報告する予定である。平成13年度には、この装置を用いて様々な部位にタグを導入したミオシンヘッドの特性を系統的に計測し、ミオシンの力発生メカニズムを探る計画である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 国岡由紀,若山純一,佐々木直哉,大岩和弘,須藤和夫,山田武範: "ミオシンの化学-力学過程を原子間力顕微鏡で調べる"日本生物物理学会第38回年会講演予稿集. 40. S200-S200 (2000)

  • [文献書誌] 国岡由紀,若山純一,佐々木直哉,大岩和弘,須藤和夫,山田武範: "AFM-TIRFM同時観察による生体モーター分子の研究"第48回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. (発表予定). (2001)

  • [文献書誌] T.Yamada,Y.Kunioka,J.Wakayama,M.Shoubara,C.Yagi,H.Ono: "Movements of Myosin-Coated Beads along Actin Filaments Suspended between Immobilized Beads"The 11th Takeda Science Foundation Symposium on Bioscience. 109-109 (2000)

  • [文献書誌] J.Wakayama,T.Yamada: "Contractile Properties of Single Myofibrils of Rabbit Psoas Muscle"J.Musc.Res.Cell Motil.. 21. 195-195 (2000)

  • [文献書誌] C.Yagi,M.Shohara,Y.Kunioka,T.Yamada: "Does a Myosin Filament Rotate as It Slides along Actin Filaments?"J.Musc.Res.Cell Motil. 21. 195-196 (2000)

  • [文献書誌] 若山純一,庄原誠,八木千春,小野華子,国岡由紀,山田武範: "滑り運動中のミオシンコートビーズの動き"日本生物物理学会第38回年会講演予稿集. 40. S203-S203 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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