研究概要 |
1.蛋白質の熱力学データベースの構築 我々は今まで蛋白質の熱力学データベースを開発し、これまで3317件のデータを収集してきた(Release1.0)。今年度はこのデータベースを拡張し、5542件のデータを収集して(Release2.0)、論文(Nucleic Acids Research,28,283-285,2000)として発表した。そしてWorld Wibe Webによる検索インターフェースを作成し、インターネット上で公開した(http://www.rtc.riken.go.jp/jouhou/protherm/protherm.html)。また、蛋白質の変性の可逆性、溶液の緩衝液の種類、イオンの濃度等の新しいデータもつけ加えた。 3.蛋白質の熱力学データベースの解析 この熱力学データベースには、いろいろな変異蛋白質の温度や変性剤に対する安定性のデータが含まれている。このデータベースを用いて、蛋白質の内部に変異アミノ酸が50から80%埋もれているときの、安定性の値と置換されるアミノ酸の物理化学量との相関係数を計算して、論文(Journal of Biomolecular Structure and Dynamics,28,281-295,2000)として発表した。この結果、ヘリックス領域では変異アミノ酸の表面積と水和の比熱、β鎖では疎水性と大きさ、コイル領域ではコイルとターンの傾向とそれぞれ相関することがわかった。
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