研究課題/領域番号 |
12680666
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
城 宜嗣 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 主任研究員 (70183051)
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研究分担者 |
中村 寛夫 理化学研究所, 生体物理化学研究室, 先任研究員 (80270594)
朴 三用 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 助教授 (20291932)
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キーワード | エチレン / エチレン受容体 / 植物ホルモン / 銅(I)錯体 / 二成分情報伝達系 / ヒスチジンキナーゼ / リン酸移転 |
研究概要 |
昨年度構築に成功した発現系を用いて、植物ホルモンであるエチレンの受容体(エチレンセンサー蛋白質ETR1)のセンサー部位を大腸菌で発現させ、その組換え蛋白質の精製をした。精製法は可溶化界面活性剤や精製カラムの種類を各種検討し、70〜80%程度の純度のETR1センサー部位を得た。得られたETR1を用いて、SPring-8およびPFにおいて銅吸収端におけるX線吸収スペクトル(XANES)を測定した。エチレンの有無でスペクトルの差異は観測された。しかし、そのスペクトルの差異には再現性は無かった。そこで、銅添加の条件、銅を一価にするための還元剤の種類と添加条件などを変えた試料を用意し、それぞれのXANESスペクトルを測定した。その結果を現在検討中であり、最適なXANES測定試料を得る方法を確立しつつある。これらと平行して、参照試料となるいくつかの銅一価モデル錯体のXANES測定を行った。 一方、XANESスペクトルからETR1の銅の配位構造を決定する方法を確立する目的で、構造既知の銅蛋白質(アズリンなど)のXANESスペクトル解析にDVXα法を適用し、この方法の問題点などを検討した。 上記XANES測定と平行して、組換ETR1センサー部位の結晶化条件の検索をおこなったが、単結晶は得られなかった。さらに試料の純度をあげるべく(90%以上)、結晶化用試料の精製条件を検討中である。 また、センサー部位の銅の配位構造とキナーゼ活性との関連を明らかにする目的で、全長ETR1の発現系の構築も開始した。
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