研究課題/領域番号 |
12680702
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
布村 渉 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70256478)
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研究分担者 |
金城 政孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70177971)
高桑 雄一 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40113740)
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キーワード | 赤血球 / 4.1蛋白質 / グリコフォリンC / p55 / カルモジュリン / カルシュウム / X線結晶構造解析 / 分子間相互作用 |
研究概要 |
1)各種のexonを欠失させた4.1蛋白質(以下4.1)4.1の膜結合ドメイン(N末端30kDa)の組換え蛋白質について、IAsysを用いた反応速度論的結合解析により、4.1のp55、glycophorin C(GPC)及びcalmodulin(CaM)の結合部位を同定した。つまり、p55はexon 10、GPCはexon 8のそれぞれ親水性アミノ酸残基を多く含む部分に結合し、CaMはexon 9(Ca^<2+>感受性の結合)及びexon 11(Ca^<2+>非感受性の結合)の2箇所(各11残基)に結合することを明らかにした。また、CaMが4.1に作用するためにはこの2箇所に同時に結合することが重要であることを明らかにした。更に、4.1とCaMの結合に於いて、Ca^<2+>感受性の結合部位では185番目のセリン残基、Ca^<2+>非感受性の結合部位では、芳香族アミノ酸が重要な役割をしていることを明かにした。 2)p55のGPCへの結合は、4.1がp55に結合することにより約10倍強められた。 3)4.1のp55、GPC、およびband3への結合は、Ca^<2+>によりCaMを介して親和性が約10〜20分の1に弱められた。 4)X線結晶構造解析により、4.1の膜結合ドメインは三ッ葉様構造をしていること、CaMはその中心部の溝部に結合し、p55、GPC、band3はそれぞれ別葉に結合することから、CaMによる4.1の機能制御の分子構造を明らかにした。 5)小麦胚芽レクチン(WGA)を凝集が起こらない程度で赤血球膜(ゴースト)に作用させると赤血球膜の変形能が低下した。 6)WGA存在下で、赤血球膜の反転膜小胞を作ることはできなかった。 7)4.1(全長)及び膜結合ドメインのGFP融合蛋白質の真核細胞発現ベクターを構築した。COS7細胞での発現実験では、膜への特異的局在は観察されなかった。
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