ウズラ背部羽毛芽列には黒、黄色からなる縦縞色素パターンがあるが、その形成機構を、色素パターンが激変する黒色初毛致死突然変異体(Bh)を用いて明らかにすることが本研究の最終の目的である。 本年度はまず、GDRDA(Genetically Directed Repr esentational Difference Analysis)法により昨年度単離したBh遺伝子の連鎖マーカー(MHD3C4、MHD3C12)について、インバースPCRにより、その塩基配列を決定した。次に、RCRを用いて簡便にその遺伝的多型を調べられる方法を確立し、これらの遺伝マーカーとBh遺伝子座との組換え率を求めた。その結果、Bh遺伝子座との組換え率はMHD3C4、MHD3C12それぞれについて6/522、74/522であり、染色体上でのBh遺伝子座との距離はそれぞれ1cM、14cMであった。またこれらのマーカーは、染色体上でBh遺伝子に対していずれも先に単離したMHD1B3(Bh遺伝子座との距離は0.9cM)と同じ側に位置していた。 Bh遺伝子のメラノサイトの増殖・分化における作用点をさらに探るため、各遺伝子型胚神経冠から遣い出たメラノサイトの初代培養を行ったところ、ホモ型メラノサイトは細胞突起の伸長が悪く、これはBh遺伝子がメラノサイト内で働くとした以前の研究一致している。
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