研究課題/領域番号 |
12680713
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
久保田 洋 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40115837)
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研究分担者 |
木下 勉 関西学院大学, 理学部, 助教授 (30161532)
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キーワード | Xenopus / gastrulation / champignon / Xoom / molecular mechanism |
研究概要 |
動物の初期胚における原腸陥入運動は単純な形の卵から複雑な成体の形を作り出すための最も重要なプロセスであるにも関わらず、その分子機構に関しては研究が進んでいない。我々はこれまでの研究で、原腸陥入運動に影響を及ぼす遺伝子、chamignonとXoomを発見している。それらの遺伝子が原腸陥入運動にどのように関わっているかを解析することにより、原腸陥入運動の分子機構を明らかにすることを目的として研究を進めた。 Cpg遺伝子の機能ドメインの解析:cpgはそのアミノ酸配列からPOZ/zinc fingerタイプの転写因子であり、N末端にPOZドメイン、C末端側に3つのZinc fingerドメイン、そして3つの核移行シグナルが存在する。Cpgの発現による原腸陥入の阻害にこれらの機能ドメインがどのように関わっているかを12種類のdeletion constructsを用いて検討した。その結果、原腸陥入の阻害のためには完全なPOZドメインと3つのZinc fingerドメイン、および3ケ所の核移行シグナルのうちの中央のシグナルドメインが必要であることが明らかになった。 Cpgのtarget遺伝子の探索:cpgを強制発現させた胚と対照胚とのあいだでdifferential displayを行い、cpgを発現させた胚で転写が抑制されている遺伝子フラグメントをとり、そのフラグメントを用いてcDNAライブラリーから遺伝子を単離した。とれた遺伝子はXenopusのEST解析ですでに報告されている膜糖蛋白をコードすると考えられる3-16Mと名付けられた遺伝子であったが、現段階では原腸陥入阻害との関連は明らかでない。現在さらに探索を続けている。 Xoomの機能:antisense RNAの注入により膜貫通蛋白をコードする遺伝子Xoom蛋白の発現を抑えると、中胚葉細胞のconvergent extension運動は影響されなかったが、外胚葉細胞のepibolyが阻害され、actin繊維の配向が乱されることが明らかになった。従ってXoomは外胚葉細胞のactinの調節を介してepibolyに関与していると考えられる。
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