研究課題/領域番号 |
12680750
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 聖 金沢大学, 医学部, 教授 (10019614)
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研究分担者 |
松川 通 金沢大学, 医学部, 助手 (30219414)
谷井 秀治 金沢大学, 医学部, 助教授 (90110618)
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キーワード | transglutaminase / goldfish / nerve section / regeneration / visual system / リコンビナント蛋白 |
研究概要 |
タンパク質架橋酵素トランスグルタミネース(TG)は、血液凝固や皮膚の角質化、神経細胞の凝集など種々の機能や疾患に関連していることが報告されている。今回我々は特に神経再生過程における役割を探る目的で金魚視神経切断後5日目の網膜cDNAライブラリーを作製し網膜TG cDNAをクローニングした。TGの翻訳領域全長の塩基配列及び推測される678個のアミノ酸を決定した。この塩基配列中にはTG酵素活性部位やCa^<2+>結合部位が存在していた。更にTG mRNAの発現量を調べるため視神経切断後の各時期での網膜および視神経の標的器官である視蓋での発現をノーザン法で調べた。その結果、TGmRNAは、視神経切断後早期(5〜7日目)に上昇し約10日で7倍とピークを示しその後減少した。このmRNAの時間経過は、酵素活性の時間経過よりやや先行していた。この早い時期でのTGの誘導は再生軸索が伸長する前であることより、TGの役割としては何かclean upの様な機能を想定できる。現在mRNAの局在部位をin situハイブリダイゼーション法にて検索中である。また、このTG cDNAクローンの翻訳領域全長をプラスミドDNAに挿入し大腸菌にて増やしたところ、約75kdのTG蛋白のバンドが回収できた。この合成蛋白は有意のTG酵素活性を有していた。今後このリコンビナント蛋白を用い、抗体を作製し、TGの局在を調べたい。更に神経損傷部位にこのリコンビナントTGを注入添加したり、抗体を注入することで神経再生へのTGの役割を明らかにする予定である。
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