研究分担者 |
椛 秀人 高知医科大学, 医学部, 教授 (50136371)
高橋 正身 三菱化学生命, 科学研究所, 部門長
八木 健 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (10241241)
奥谷 文乃 高知医科大学, 医学部, 助手 (10194490)
氏原 久充 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00213421)
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研究概要 |
1)complexin I knockoutマウスの作製:ES細胞クローン約500個を解析したがhomologous recombinationをおこしているESが得られなかった。 2)complexin II knockoutのCA1-LTP低下メカニズムの検討:Complexin II knockout mouseでは海馬CA1,CA3-LTPが低下している(Eur J Neurosci 11:2359-2366,1999)。そこでテタヌス刺激頻度の増加にともなうCA1-LTP変化を解析した。刺激頻度を10,30,100Hzと上げるにしたがって野生型マウスではLTPの増強がみられたのに対して、complexin II knockoutではLTP増強はみられなかった。この結果よりcomplexin IIはテタヌス刺激時の神経伝達物質放出増強に関与していることが強く示唆された(Jpn. J. Phamlacol 84:179-187,2000)。 3)complexin II knockoutを用いた行動解析:Complexin II knockoutの学習行動をモーリス水迷路を用いて解析したところ野生型との有意差はみられなかった。現在、ストレス状況下での学習行動およびLTPについて検討を始めている。またcomplexin II knockoutマウスの新規環境暴露、MK-801およびメタンフェタミン投与における移所行動を調べた。メタンフェタミン皮下注射(4mg/kg)での移動量はknockoutマウスにおいて有意に増加していた。 4)ヒト分裂病患者の前頭葉におけるcomplexin I, IIの発現:complexin IIはヒト分裂病の海馬においてその発現が有意に低下していることが報告された。そこでカナダUBC(British Columbia大学)との共同研究において、ヒト分裂病(統合失調症)および躁鬱病患者の前頭葉でのcomplexinの発現を調べたところ、統合失調症でcomplexin I発現が有意に低下していた(Molec. Psych : in press)。
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