研究概要 |
脳から抽出したニトロドパミンの分析条件を決定するに必要な十分量の標準品を準備するため、合成及びin vitroにて生成したニトロドパミンを精製するという2つの手法を行った。合成は外部委託業者に依頼したが、反応中間体が極めて不安定なため、大量に合成することはできなかったが少量の純度の高い化合物が得られた。in vitroで生成したものをさらに高速液体クロマトグラフィーによって精製する方法は妨害ピークにより純度が落ちた。しかし、合成して得られた純度の高い化合物の質量分析から、脳抽出ニトロドパミンの分析条件を決定する目的には使用できると判断した、現在、分析条件を検討している。 NMDA受容体を活性化することにより、神経細胞がアポトーシスを起こすことが知られている。NMDA受容体活化によりニトロノルエピネフリンが増加することを見いだした(未発表)。農薬のグルホシネートアンモニウムは神経にアポトーシスを引き起こす事が知られているが、グルホシネートアンモニウムが中枢神経NMDA受容体を活性化することを見いだした。 過酸化水素はスコポレチン法によって定裏した。6-ニトロノルエピネフリン0.3及び3.0μMをラット管内皮細胞上清に添加すると1-2nmol/60min/10^5cellの過酸化水素が発生した。加えない細胞では0-0.2nmol/60min/10^5cellであった。6-ニトロノルエピネフリンの濃度をこれ以上増加させると、化合物の黄色によって検出系が妨害されたため断念した。 6-ニトロノルエピネフリンによるピト由来神経細胞株SH-SY5Yのアポトーシス誘発性について検討した。アポトーシスはヒストンの解離をELISAにて検出することにより評価した。6-ニトロノルエピネフリン0.3,3.0,30,300μMの作用を検討し、300μMによって神経細胞の著明なアポトーシスが惹起された。陽性対照として用いた6-OHDAは30及び300μMの濃度によってアポトーシスを引き起こした。
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