研究課題/領域番号 |
12680771
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井手 亜里 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50232939)
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研究分担者 |
吉田 宗平 和歌山県立医科大学, 神経病研究部, 講師 (30166954)
河合 潤 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60191996)
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キーワード | マイクロビーム / 脳機能 / 神経変性 / パーキンソン病 / マルツハイマー病 / 放射光 / 化学状態分析 / 元素分布 |
研究概要 |
本研究の目的は、神経変性疾患患者の脳組織(中脳黒質等)における微量金属元素のイメージングと化学状態分析を非破壊的に単一神経細胞レベルで行い、その後同一試料に対して組織学的検索を行うことによって、パーキンソン病、アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症など神経変性疾患における神経細胞死に対して微量金属元素が如何に関わるかを明らかにすることである。 本研究で行った蛍光X線分析とXAFS分析は、共同利用施設の文部省高エネルギー加速器研究機構のPhoton Factoryと財団法人高輝度光科学研究センターのSPring-8で行った。 分析の対象は、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病などの神経変性疾患が原因で死亡した患者と神経疾患が死因ではないコントロールの中脳組織である。剖検で摘出された脳組織は10%フォルマリン溶液中で固定・保存され、その後パラフィン、もしくはエポキシ樹脂に包埋して切片に切り出して試料として使って研究を行った。 1.SPring-8およびPhoton Factoryで蛍光x-線分析を行った。 2.微量元素定量化のためのソフトウェアの開発した。 3.剖検にて摘出された生検材料から試料を作製し、試料作製と標準試料の最適化の検討を行った。 4.蛍光X線分析法により病理的試料と参考試料における神経細胞内の元素分布と金属元素の蓄積量を測定、分析した。 5.XAFS分析法により、病理的試料と参考試料における神経細胞内の微量金属元素の化学状態を測定、分析した。 6.分析した試料に対して病理学的検討を行い、元素の分布・化学状態の分析結果と比較検討を行った。 7.染色法等の他の元素分析法、化学状態分析法により比較実験を行い、結果を比較・検討した。 以上の研究を予定通り進行し、その成果は国内外の学会で発表した。
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