研究課題/領域番号 |
12680774
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田川 義晃 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (50303813)
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研究分担者 |
渡辺 大 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303817)
金子 鋭 京都大学, 医学研究科, 助手 (70303815)
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キーワード | グルタミン酸受容体 / adenovirus vector / 受容体 |
研究概要 |
グルタミン酸受容体結合タンパク質の機能を明らかにするため、以下の実験系を確立した。 1.神経細胞に特異的かつ効率良く遺伝子を発現する実験系として、adenovirus vectorを用いた(1)tetracycline-regulated transactivator(tTA)発現系及び、(2)Cre recombinase(Cre)発現系を確立した。 2.海馬神経細胞の初代培養系を用いてtTA発現系・Cre発現系の比較を行った。両発現系を用いて蛍光タンパクである(EGFP)を発現し、蛍光強度を指標に比較したところ、tTA発現系の方が発現効率が良いことが明らかとなった。 3.tTA発現系を用いて培養海馬神経細胞にグルタミン酸受容体結合タンパク質の発現実験を行った。発現したグルタミン酸受容体結合タンパク質は樹状突起上に分布することが明かとなった。 4.さらに個体レベルの神経ネットワークの実験系として、マウスの基底核線条体及び網膜を使った実験系を確立した。この実験系を応用して、基底核線条体・網膜よりそれぞれコリン作動性インターニューロン・コリン作動性アマクリン細胞をイムノトキシンにより選択的に欠失させ、その機能を解析した。これにより、(1)黒質緻密部ドーパミン作動性ニューロンの機能低下により生じるパーキンソン病に抗コリン作動薬が効果があることが知られているが、このアセチルコリン調節系の実体が線条体コリン作働性インターニューロンによるものであること、(2)網膜内の神経ネットワークの情報処理過程で、光の動きに対して方位選択性が生じるが、これにコリン作動性アマクリン細胞が必須であることを示した。 今後は、本年度に確立したin vitro・in vivoの実験系を使って、グルタミン酸受容体結合タンパク質の役割をさらに明らかにすることを計画している。
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