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2000 年度 実績報告書

屋内空間の記憶と道順学習の神経機構

研究課題

研究課題/領域番号 12680784
研究機関日本大学

研究代表者

田中 裕二  日本大学, 医学部, 助手 (40179792)

研究分担者 加世田 正和  日本大学, 医学部, 講師 (20072994)
キーワード認知地図 / 人工現実感 / バーチャル・リアリティ / 頭頂連合野 / 海馬傍回 / 道順記憶 / ニホンザル
研究概要

成熟したニホンザルを用いて,人工現実感(バーチャル・リアリティ;VR)で仮想空間内をジョイステックを操作して,最終目標の部屋までの道順を覚える学習課題を行った。人工現実感は2階建ての建物内で,1階に8部屋,2階に7部屋の合計15部屋があり,それぞれの室内にはテーブル,椅子,キャビネット,本棚,コンピュータ,動物用ケージなどを備え,各部屋に特徴を持たせた。また,上下階の移動はエレベーターで行えるように設定した。
本年度は,1階の4部屋と2階の1部屋の含わせて5部屋の建物内での配置を覚え,最終目標の部屋に到達すると,報酬としてジュースがもらえる課題を学習させた。訓練の第1段階は,パイロットの動きに合わせて,サルがジョイステックを操作し,その後を追従する課題(視覚誘導課題)を学習させた。第2段階は,サルはジョイステックを操作しない状態で,まずスタート地点から最終目標の部屋までの道順を自動的に移動して,その道順を記憶させた後,実際にサルにジョイステックを操作させて,先程記憶した部屋に行く課題(視覚記憶課題)を学習させた。現在は,第3段階として,目標の部屋の内部の場面を呈示し,サルがその呈示された部屋の場所を記憶し,パイロット(視覚誘導)なしでジョイスティックを操作して,目標の部屋に行く課題(記憶誘導課題)を学習させ,現在ではほぼ完全にこの課題を遂行できるようになった。以上のように,本年度はサルでの認知地図の学習過程の行動学的な検索を行った。
次年度は,この道順課題を学習したサルを用いて,空間内の環境を基にした脳内表現に関連した海馬と,道順の経路上にある障害物の相対的な位置の情報処理に関係した頭頂連合野からニューロン活動を記録し,道順課題遂行中のニューロン活動の性質について解析を行いたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Procyk E.,Tanaka Y.L.,Joseph J-P: "Anterior cingulate activity in during routine and non-routine sequential behaviors in macaques."Nature Neuroscience. 3・5. 502-508 (2000)

  • [文献書誌] Win Nyi Shein,村田哲,加世田正和,田中裕二,酒田英夫: "サル頭頂連合野の手操作関連ニューロンの操作目標の相対的な位置の選択性"日本医学雑誌. 58・11. 558-569 (1999)

  • [文献書誌] Sakata,H.,Taira,M.,Kusunoki,M.,Murata,A.,Tsutsui,K-I.,Tanaka,Y, et al: "Neural representation of three-dimensional features of manipulation objects with stereopsis."Experimental Brain Research. 128・1/2. 160-169 (1999)

  • [文献書誌] 宮下有紀子,ウィン・ニー・シェイン,村田哲,田中裕二,酒田英夫: "サル頭頂連合野の手操作関連ニューロンの視覚反応について-三次元形態と方位に対する選択性-"リハビリテーション医学. 35・12. 926-935 (1998)

  • [文献書誌] Sakata,H.,Taira,M.,Kusunoki,M.Murata,A.,Tanaka.Y,Tsutsui,K-I.: "Neural coding of 3D features of objects for hand action in the parietal Cortex of the monkey."Phil.Tran.R.Soc.Lond.B. 353. 1363-1373 (1998)

  • [文献書誌] Murata,A.,Gallese,V.,Luppino,G.,Kaseda,M.,Sakata,H.: "Selectivity for the shape, size, and orientation of objects for grasping in neurons of monkey parietal area AIP."Journal of Neurophysiolgy. 83・5. 2580-2601 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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