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2000 年度 実績報告書

副嗅球で誘起されるオシレーションの発生機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12680786
研究機関金沢医科大学

研究代表者

須貝 外喜夫  金沢医科大学, 医学部, 助教授 (90064625)

キーワード嗅覚 / 副嗅球 / 鋤鼻感覚 / 光学計測 / オシレーション / 相反性シナプス / 僧帽細胞 / 顆粒細胞
研究概要

モルモット副嗅球(AOB)スライス標本を用い、今年度は以下の成果を得ることが出来た。
1.膜電位感受性色素による光学的計測の成果
AOBの鋤鼻神経層の電気刺激により、僧帽細胞層および顆粒細胞層に誘起されるoscillationの発生機序を理解するために、光学計測を用いて調べた。oscillationはGABA_A受容体遮断薬で消失し、持続的な興奮をもたらした。また、NMDA受容体を活性化する無Mg液中でもoscillationは消失し、続くNMDA受容体遮断薬投与で回復した。これらの結果から、oscillationにGABA_A受容体とNMDA受容体が関与している事が示唆され、両受容体が働く僧帽細胞-顆粒細胞間相反性シナプス活動に注目した。
2.スライスパッチクランプ法による電気生理学的実験の成果
ホールセルクランプ法により、僧帽細胞および顆粒細胞のシナプス応答への種々の薬物のパフによる局所投与効果を調べた。僧帽細胞ではEPSCに重畳してGABA_A受容体を介する周期的なIPSCが出現した。この周期は光学計測に見られるoscillationの周期と一致した。顆粒細胞でもnon-NMDAおよびNMDA受容体を介する周期的なEPSCが記録され、僧帽細胞のIPSCと顆粒細胞のEPSCの周期性はそのタイミングにおいてよく一致した。これらの結果から、顆粒細胞の周期的興奮に伴う顆粒細胞樹状突起からのGABA放出による僧帽細胞の周期的な抑制の結果、僧帽細胞に周期的興奮(oscillation)が起きることが推測された。また、顆粒細胞のNMDA受容体はGABA放出を調節していると推測された。従って、僧帽細胞-顆粒細胞間相反性シナプス活動が、oscillationの形成に大きく関与することが示唆された。
3.次年度への展開
NMDA受容体がoscillationを調節していることが推測され、次年度は細胞内Ca濃度変化の測定もぜひとも遂行し、oscillationとの関係を更に明確にする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 須貝外喜夫: "副嗅球振動性興奮への僧帽細胞-顆粒細胞間相反性シナプスの関与"日本味と匂い学会誌. 7・3. 423-424 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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