研究課題/領域番号 |
12680797
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
小山 純正 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (80183812)
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研究分担者 |
高橋 和己 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90325952)
香山 雪彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30035224)
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キーワード | 外背側被蓋核 / アセチルコリンニューロン / 逆説睡眠 / ノルアドレナリン / セロトニン / ヒスタミン / GABA / 脳幹 |
研究概要 |
頭部のみを無痛的に固定したラットの脳幹から記録した、睡眠関連ニューロン(逆説睡眠時に特異的な活動上昇を示すPS-onニューロンと逆説睡眠時と覚醒時に活動上昇するWPニューロン)に対する、抑制性伝達物質の作用を調べた。 その結果、ノルアドレナリン、セロトニン、GABAとも、これらのニューロンに抑制性に作用することが明らかになった。 次に、これらの作用が、どのようなレセプターを介しているかを明らかにするため、これらの伝達物質のアドニスト、アンタゴニスの作用を調べた。これらのニューロンの自発発火はα_2アゴニストによって抑制された。ノルアドレナリンで抑制された活動は、α_2アンタゴニストで回復した。また、PS-onニューロンの覚醒時の活動停止やWPニューロンの徐波睡眠時の活動低下は、GABA_Aのアンタゴニストであるビキュキュリンで回復した。ビキュキュリンの作用は、コリン作動性ニューロンよりも非コリン作動性ニューロンにより顕著に見られた。 また、ヒスタミンはPS-onニューロンに対しては効果がなく、WPニューロンには興奮性に作用した。WPニューロンの活動は、覚醒時のみH_1アンタゴニストで阻害されたことから、ヒスタミンはH_1レセプターを介してWPニューロンの覚醒時の活動の維持に関与していると考えられた。一方、逆説睡眠時の活動は、NMDA、non-NMDAを介したグルタミン作動性入力によって調節されていることが明らかになった。 このように、睡眠との関係を明らかにしたニューロンの解析によって、逆説睡眠の調節に関して、従来考えられていたようなモノアミン類の作用も一様でないこと、モノアミン以外にGABAやグルタミン酸なども重要な役割を果たすことなどが明らかになった。
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