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本研究は食虫目実験動物スンクスが保有する扁桃組織を抗原刺激することでIgA産生を伴う局所粘膜免疫応答を惹起し、IgA腎症などの扁桃性病巣感染症の病態モデルを確立することを目的として遂行されている。今年度は扁桃における粘膜免疫応答に重要な役割を果たすスンクスIgAの性状の解析、また、IgA産生の誘導および実効組織として機能すると考えられている扁桃の役割を特異抗体産生能の側面から免疫組織化学的に解析した。まず、コレラトキシンの反復経口投与で賦活化されたスンクス消化管から粘膜上皮を剥離してlysateを抽出し、抗マウスIgA抗体を吸着させたアフィニティー精製カラムを作製してスンクスIgA分画を単離した。同分画中に含まれるスンクスIgA含量についてはドットブロットにて解析中であり、定量後のスンクスIgAをアジュバントと共にマウスに免疫し、IgA動態の免疫組織化学的解析プローブに使用する抗スンクスIgA抗体の作製を計画している。また、コレラトキシン-OVAを抗原とした片側耳管扁桃の感作実験から特異抗体産生が感作側のみならず反対側にも出現することが確かめられ、現在、血清中の特異抗体価の解析が進行中であり、次年度、扁桃局所特異抗体産生と腎臓を含む遠隔臓器への影響について検索する予定である。
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