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2000 年度 実績報告書

デンドリマーを用いる新規な標的指向性ナノカプセルの創製

研究課題

研究課題/領域番号 12680839
研究機関大阪府立大学

研究代表者

河野 健司  大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (90215187)

研究分担者 丸山 一雄  帝京大学, 薬学部, 助教授 (30130040)
キーワードデンドリマー / ポリエチレングリコール / ナノカプセル / ドラッグデリバリーシステム / アドリアマイシン / メトトレキセート
研究概要

生体適合性の表面と薬物を保持する内部空間を併せもつナノメートルサイズの粒径の単分子カプセルとして、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を末端基に結合したポリアミドアミンデンドリマーを設計した。第3世代(G3)および第4世代(G4)のポリアミドアミンデンドリマーをPEG(分子量550および2000)-4-ニトロフェニルカーボネートと反応させたところ、デンドリマーの全ての末端にPEG鎖が導入されることがわかった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、これらのPEG結合デンドリマーの多分散度は1.1以下であることが示され、分子量分布が極めて狭いことがわかった。これらのPEG結合デンドリマーによる抗がん剤アドリアマイシンおよびメトトレキセートの取り込みについて検討したところ、世代数の大きなデンドリマー部位と長いPEG鎖をもつデンドリマーが高い薬物取り込み能を示すことがわかった。調製したPEG結合デンドリマーの中で、分子量2000のPEG鎖を結合したG4デンドリマーが最も高い薬物取り込み能を示し、6.5分子のアドリアマイシンあるいは26分子のメトトレキセートを取り込むことがわかった。デンドリマー内部に取り込んだ薬物の放出挙動について検討した結果、低イオン強度の水溶液において、デンドリマー内部に保持されたメトトレキセートの放出は抑制されたが、生理食塩水中においては、メトトレキセートおよびアドリアマイシンは速やかにデンドリマーから放出されることが明らかになった。生理食塩水中においても薬物を安定に保持することの出来る新規な生体適合性デンドリマーとして、現在、ジスルフィド結合による網目構造や疎水性シェル構造をもつPEG結合デンドリマーの合成を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] C.Kojima,K.Kono,K.Maruyama,T.Takagishi: "Synthesis of polyamidoamine dendrimers having polyethylene glycol grafts and their ability to encapsulate anticancer drugs"Bioconjugate Chemistry. 11. 910-917 (2000)

  • [文献書誌] M.Liu,K.Kono,J.M.J.Frechet: "Water-soluble dendritic unimolecular micelles : their potential as drug delivery agents"J.Controlled Release. 65. 121-131 (2000)

  • [文献書誌] K.Kono,C.Kojima,T.Fukui,T.Takagishi: "Design of polyamidoamine dendrimers with poly (ethylene glycol) chains as drugcarriers"Porimeric Materials : Science and Engineering. (発表予定). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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