研究課題/領域番号 |
12680840
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
古田 雅一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (40181458)
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研究分担者 |
岡 勝仁 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (70203966)
林 壽郎 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (90026089)
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キーワード | 乳化重合法 / ポリアミノ酸 / 微粒子 / 界面活性剤 / 酵素 / 固定化 |
研究概要 |
今年度は乳化重合法により定量的に高分子量のポリアミノ酸粒子を得る条件を確立するためにグルタミン酸γ-メチルエステルNCA、グルタミン酸γ-ベンジルエステルNCA、ロイシンNCAの有機溶剤溶液と界面活性剤の組み合わせに対し、乳化重合を試みた。あらかじめグルタミン酸γ-ベンジルエステルNCAのジオキサン溶液に対し、トリエチルアミンを開始剤とした通常の重合反応により分子量16万以上のポリγ-ベンジル-L-グルタミン酸が合成できることを確認したのちに界面活性剤を含んだ純水に開始剤を含んだモノマー溶液を滴下することにより、乳化重合を試みた。その結果、Tween20を界面活性剤として用いた場合、分子量3万以上の重合体が得られた。この実験系を基礎として、グルタミン酸γ-メチルエステルNCA、ロイシンNCAについてTween20、Triton X405、Brij35など種々の界面活性剤について粒子状の重合体を得ようと試みた。その結果、有機溶媒にジクロロエタン、界面活性剤にポリエチレングリコール(分子量200)を用いた場合に共重合体微粒子が得られ、走査型電子顕微鏡による観察により数十マイクロメートルオーダーの球状の微粒子の存在が確認された。今後は反応系に添加するモノマー、界面活性剤の液量や量比を変えて反応を行い、得られたポリアミノ酸粒子の収量、分子量の測定、形状などの光学顕微鏡、電子顕微鏡などの観察から粒子化に最適の条件を明らかにする予定である。また得られた微粒子を次に酵素の固定化用担体として利用するための基礎として医療応用に関連するヒドロラーゼ類からリパーゼを選び、乳化重合の検討過程で得られたポリアミノ酸に吸着固定化し、酵素機能に与える安定化効果についての基礎的知見を得た。
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