研究課題/領域番号 |
12680840
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
古田 雅一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (40181458)
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研究分担者 |
岡 勝仁 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (70203966)
林 壽郎 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (90026089)
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キーワード | 乳化重合法 / ポリアミノ酸 / 微粒子 / 界面活性剤 / 酵素 / 固定化 |
研究概要 |
今年度は前年度に引き続き乳化重合法により定量的かつ大量に高分子量のポリアミノ酸粒子を得る条件を確立するために前年度に有効であったグルタミン酸γ-メチルエステルNCA、ロイシンNCAについてさらなる検討を行った。前年度に明らかにした有機溶媒、ジクロロエタンと界面活性剤、ポリエチレングリコール(分子量200)について重合時の条件を種々検討した結果、走査型電子顕微鏡観察において粒径が100〜200ナノメートルオーダーの微粒子を安定して得ることに成功した。次にこの微粒子を酵素の固定化用担体として利用するために医療応用に関連するヒドロラーゼ類からリパーゼを選び、水溶性カルボジイミド法を用いて固定化を行った。得られた固定化酵素粒子の保存安定性を調べるため種々のpHの水溶液中に37℃で保持したところ、酸性条件においてはフリーの酵素は数時間で失活したのに対し、固定化酵素粒子は80%以上の活性を保持して板。耐熱性についても固定化酵素粒子は広範囲のpH条件下で著しい効果を示し、80℃においても常温の20%の活性を保持していた。また極端に高いpHにおいても活性の低下は全く見られなかった。これらの要因としては保存、加熱、pH変化などにおいてみられる酵素分子のコンホメーション変化が固定化することにより抑制され、また微粒子が微生物白どによる劣化の障壁として機能している可能性が実験的に示唆された。本微粒子を固定化用坦体として用いることにより注射により容易に生体内に導入できる固定化酵素微粒子の作成の可能性が期待される。
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