平成13年度は以下に述べる2つの実験を通して、結果事象の類似性が行動履歴効果に及ぼす影響を検討した。 実験1 タッチパネルつきコンピュータのモニターへの大学生8名の接触反応を、混合定率低反応率分化強化(mix FR DRL)スケジュールで強化した。半数の被験者はFRスケンジュール成分の強化感覚がDRLのそれより長くなるように、残りの半数はその逆になるように各スケジュールの値を調節した。その後、混合定間隔5秒定間隔20秒(mix Fl 5秒F120秒)を呈示した。Flスケジュールでの反応率は、その強化間隔が、かつてのFRスケジュールでのそれと近似しているときには高く、かつてのDRLスケジュールでの強化間隔に近いときには低かった。 実験2 実験1と同様のmix FR DRLスケジュールに、5、10、15、20、30、40秒の6つのFIスケジュールをプローブとして挿入した。Flスケジュールでの反応率は、その強化間隔が、かつてのFRスケジュールでのそれと近似した値を頂点、かつてのDRLスケジュールでの強化間隔に近い値を底値として、ほぼ組織的に変化した。 以上の結果は、過去から現在への強化間隔の変化が小さいほど、過去のそれと類似した行動が現在のスケジュール下で生じることを意味している。平成12年度では先行事象において行動履歴効果と刺激般化との機能的類似性が示されたが、それと同様の知見が、本年度は結果事象において得られた。
|