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2000 年度 実績報告書

成人の育児語使用と子どもの言語発達

研究課題

研究課題/領域番号 12710085
研究機関茨城キリスト教大学短期大学部

研究代表者

篠原 桂子 (江尻 桂子)  茨城キリスト教大学短期大学部, その他部局等, 講師 (80320620)

キーワード言語発達 / 育児語 / 母子相互作用 / 乳児 / 幼児 / 統語発達 / 語彙発達 / 言語入力
研究概要

母親の子どもへの育児語の使用が、どのようにして成人語の使用へとシフトするのかを詳細に調べることを目的に、質問紙調査により母親の育児語使用の実態を調べた。調査対象となったのは、1才から3才までの子どもをもつ母親31組である。この母親らにマッカーサー言語発達質問紙(日本語版)に回答するよう依頼した。そしてこの質問紙に含まれる、ことばの理解と産出についての語彙チェックリスト、および発話長に関する回答を言語発達段階の指標として利用した。ことばの理解と産出に関しては、464項目の語彙について、その言葉を子どもが理解しているかどうか、また、産出しているかどうかを○×で回答してもらった。また、各語彙について、母親が育児語を使用している場合は、それも記入してもらった。これらの質問紙に記入された回答をもとに、各児について、産出語彙数、理解語彙数、および、発話長を産出した。また、各母親について、使用している育児語の語彙数を産出した。母親の育児語使用数が、子どもの言語発達段階や年齢と関連があるのかどうかを調べるため、母親の使用する育児語の語彙数を独立変数、子どもの年齢、語彙発達段階(産出語彙数ごとに3レベル/理解彙語数ごとに3レベル)を従属変数として分散分析を行った。その結果、育児語の使用頻度と統語発達段階とのあいだに関連が見られ、母親は、子どもの統語発達段階が、一語文、二語文の段階では育児語を多用するが、子どもが多語文を産出するようになると、育児語の使用頻度が低くなることが示唆された。また、母親の育児語の使用頻度と子どもの産出語彙数のあいだにも関連が見られ、産出語彙数が高くなるほど育児語の使用が減少することが示唆された。以上より、母親は育児語を使用しているものの、子どもの言語発達段階が上がるにつれ、それらの使用を控えるようになることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 江尻桂子: "母親の育児語使用と子どもの言語発達-質問紙を用いた予備的調査-"日本教育心理学会第43回総会発表論文集. (2001)

  • [文献書誌] 江尻桂子: "ことばと身体の関係からみた言語獲得過程"児童心理学の進歩(2001年度版). 41. (2001)

  • [文献書誌] Ejiri,K. & Masataka,N.: "Co-occurrence of preverbal vocal behavior and motor action in early infancy."Developmental Science. 4(1). 40-48 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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