本研究では、日本とアメリカにおける、地域教育施設の適正配置に関し、その理論と具体的運用を検討することを目的として、次の三点のような作業を行った。それらは、(1)アメリカの教育施設配置に関してその現況と議論を明らかにする、(2)チャータースクールの運営実態について文献研究と質問紙調査を行う、(3)日本における教育施設配置の実態について考察する、である。 (1)と(2)については、裏面のようなアメリカの教育に関する論文にその成果をまとめた。なお、行政主体である学区が、公立学校ならびにチャータースクールをどのように配置しているのかについては、ロサンゼルス統合学区をフィールドとして現地調査を行った。 (3)の日本における研究に関しては、教育雑誌等に紹介された複合施設の情報収集を行い、使用状況等について、関係者に対してヒアリングを行った。これらの成果をもとに、宮城県中田町の学校再配置施策に対してや、仙台市の通学区域弾力化に関する審議会において、政策提言を行った。 アメリカと日本の双方に関わるものとして、「学校選択制の理論と実態-アメリカの事例を中心として」(『日本教育政策学会年報』第8号、)では、アメリカの学校選択制による多様な教育施設配置の現況を明示しつつ、日本の地方教育行政においても、福祉領域との再編を視野に、施設の再配置と利活用が必要であることを指摘している。
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