平成12年度は、筑波大学附属小学校やその他関係諸機関に分散する総合学習関連の資料収集および整理作業を中心とした。その際、文部科学省や学会などの動向との関連に十分考慮を払った上で、下記の計画を順次実施した。 まず初めに、筑波大学附属小学校の教育資料室に所蔵されている筑波大学附属小学校関連資料の中から、戦後初期のコア・カリキュラムや総合学習などのように教科の枠にとらわれない教育実践に関係する資料を抽出し、今後活用しやすいように複写保存した。 次に、筑波大学附属小学校の協力の下、副校長経験者を含む5名の旧職員にグループインタビューを実施し、個別インタビューでは明らかになりにくい戦後初期の総合的な教育実践の内容を正確に記録した。その際、デジタルビデオカメラを利用してデジタル形式でインタビュー内容を記録保存し、今後の研究に役立てる予定である。 また、戦後初期に筑波大学附属小学校の教員であった人物から、当時の筑波大学附属小学校の当時の学校教育を研究するために貴重な資料を譲り受けた。 最後に、筑波大学附属小学校で1971(昭和46)年以降現在にいたるまで継続して実施されている総合学習である「総合活動」の歴史的経緯を、筑波大学附属小学校職員が著した書籍等を参考として検討した。 すべての段階において、収集資料の情報管理については、設備備品費で購入したノートパソコンを使用してデジタル化した情報として管理保存した。 なお、本研究の内容の一部は山口満編著『現代カリキュラム研究-学校におけるカリキュラム開発の課題と方法』(仮題)、学文社、2001年発行予定の図書に発表予定である。
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