2年計画の調査研究の1年目として次の活動を進め、2年目につなげる成果をあげた。 (1)文献収集を進め、文学部・教育学部の理論研究を進めた。その結果、文学部の学科構成は多様であるが、人文学部については諸外国の同様な学部と比較して自然化学系の学科がほとんど含まれていないこと、またアカウンタビリティという概念そのものは、人文科学系学部の改革においても使用され始めていること、しかしその概念整理は未だ不十分であることが明らかとなった。 (2)特に自己点検・評価報告書の収集・閲覧を進め、文学部・教育学部の教育改革実践事例の抽出を進めた。なお特に各大学のウェブサイト上で公開されている改革事例については、拙ウェブサイト上でリンク集として整理・公開している。 (3)学部・教育課程改革を進めている学部の担当者に対する聴取調査を進め、資料収集を行った。その結果、改革プランは構想・立案されている事例がみられるが、他学部と比較した場合プランを全学的に実施することが容易ではないことが明らかとなった。 (4)文学部・人文学部の教員を対象として、人文科学系の学部教員として教育責任、研究責任をどのように捉えているかについての全国意識調査の準備を行い、年度末にかけて調査を実施した。本調査の分析は次年度に実施し、学会での報告を進める予定である。 (5)イギリスの改革事例についての資料を収集し、分析を行った。特に大学評価過程の詳細な分析、ならびにその中でのアカウンタビリティ概念の整理形態について検討を進めている。
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