• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

フランスの35時間労働制の研究-ワークシェアリングと労働社会のあり方について-

研究課題

研究課題/領域番号 12720037
研究機関東北大学

研究代表者

水町 勇一郎  東北大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (20239255)

キーワード労働時間短縮 / ワーク・シェアリング / 労働法 / フランス法
研究概要

今年度は、問題の背景・構造をより深く究明するために、大きく以下の三つの観点から研究を行い、それぞれ次のような一定の成果が得られた。
第一に、フランスの労働社会・労働法制のあり方の歴史的分析である。特に、フランスの社会において「労働」および「法」が果たしてきた役割を歴史的に明らかにすることによって、現在の労働・社会問題の歴史的含意が明確になり、常に社会問題の中心に位置する「人間」の営為・叡知の重要性(例えば「市場」も自然発生的に生まれたものではなく人間が作り出してきた「制度」の一つであること)を再認識することが可能となった。
第二に、フランスの労働・社会問題の理論的考察である。特にここでは、経済学、社会学、歴史学、哲学、政治学等の多面的・学際的な視点から、現在の問題の根幹部分を複眼的に描き出すことにより、問題の多層性・多様性およびこれに対処するための内省的柔軟性の重要性(例えば、経済学的にはレギュラシオン理論的アプローチ、法学的には「手続化」理論的アプローチが一つの選択肢として存在し、これらを有機的に結びつけながら複眼的に問題の発見・解決を図っていくこと)が明らかにされた。
第三に、日本の労働・社会問題の基本的構造の認識と解決方法の探究である。上記のフランス研究によって得られた示唆を踏まえながら、日本の問題を相対的に把握・認識し、そこでの問題点およびそれに対する基本的な対処方法を明らかにすることを試み、今後の議論のために私案(日本における法の「手続化」理論)を提示した。
以上の三つの観点からの研究をより深化させつつ、より具体的な解決手法を提示するための著作(『労働法はどこへいくのか?-フランス労働法制の歴史と理論-』)を、本研究の成果として取りまとめ公刊する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 水町勇一郎: "学会展望・ヨーロッパ法-Alain Supiot (dir.),Au-dela delemplei : Transformations du travail et devenir du dreit du travail on Europe-"国家学会雑誌. 114巻1・2号. 107-109 (2001)

  • [文献書誌] 水町勇一郎: "法の『手続化』-日本労働法の動態分析とその批判的考察-"法學. 65巻1号. (2001)

  • [文献書誌] 水町勇一郎: "『労働』『市場』と『法』-『労働』の『市場化』と『法の役割』-"日本労働法学会誌. 97号. (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi