| 研究概要 |
平成12年度の主な目的は,金融市場一般均衡分析に関する基礎研究であった.この点に関しては,ケンブリッジ大学経済学部の原千秋講師と,ベニス大学経済学部Piero Gottardi助教授と申請者の基礎研究に関する情報交換と討論を行い,研究の大きな進展を見た.
また一方で,この基礎研究の土台となる,リスクと情報の戦略的効果に関しても,過去から引き続いて行っている研究を進展させ,いくつかの新たな成果を得た.その一部は,業績リストにある共同研究としてすでに発表された.これ以外にもいくつか継続中であり,その一つに関し2000年8月にシアトルで開催されたThe Econometric SoceietyのWorld congress(世界計量経済学会の世界大会)において研究発表を行った.(論題は"Third down with a yard to go": the Dixit-Skeath conundrum on equilibria in competitive games")
今年度に執筆したその他の論文は,未完成あるいはレフェリーつき雑誌に投稿中である.来年度中での完成と発表を目標にしている.
また,来年度の研究の準備として,資産市場の実験的手法による予備研究をいくつか行った.本研究の目的である資産の価格決定への予想と情報の影響に関し,興味深い結果を得た.来年度,理論的研究とともに発展させてゆく予定である.
|
