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2000 年度 実績報告書

社会システムと個人の相互連関作用に関する基礎理論の新構築

研究課題

研究課題/領域番号 12730013
研究機関大阪大学

研究代表者

浦井 憲  大阪大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (00203597)

キーワード社会システム / 認知 / 構造
研究概要

この研究の最初の時点に置いて、社会と個人の問題を何らかの構造もしくは形式として理解しようといった思惑はそもそも全く存在しなかった。しかしながら、当初(平成11年の研究の着想段階)においては、自己組織化や自生的秩序といった概念、もしくは普遍性といった、いわば形式の形式化といったものによって何らかの突破口を求めていたことも事実であった。着想段階から考えるとほぼ一年半、最大の成果は、こういった初期の思惑の全てを無益なものとして退け得る哲学的準備を得た事である。これらはW.V.O.Quine,Saul A.Kripke,Hilary Putnumという分析哲学の現代的な流れの中にまさしく存在しており、最終的にはこの中でHilary Putnumが最後にとる「人間的な実在論」という立場から空虚に片付けられるべきものであった。こういったことは、今年度の大学院生、研究者を交えた勉強会、シンポジウム、公開されたWebサーバー上での討論、等を通じて培われ、また部分的に発表されて来たものである。
この研究をさらに来年度に向けて進展させる上で、上記の基本的な哲学に加えて、人間の認知の多様な形式を可能性として認めながら、その中であえて到達することのあり得ない「本質的な不決定性」を浮き彫りにし、さらに合理性という形式で切り取られた「形骸」としての人間および社会と、その上で「行為」として動く人間および社会の必然的な違いを指し示す、「人間の認知に基づく社会モデル」がほぼ形を整えつつある。親しくする数名の研究者間ではいくつかの意見をもらっており、またすでにいくつかの重要な結論(上述の不決定性に関するもの)も得られている。来年度はこのモデルの完成と、そこから得られる結論のための論文作成に、重点が置かれる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ken Urai: "Fixed Point Theorems and the Existence of Economic Equilibria based on Conditions for local directicns of mappings"Advances in Mathematical Economics. 2. 87-118 (2000)

  • [文献書誌] Ken Urai (with Takashi Hayashi): "A generalization of Continuity and Convexity Conditions for Correspondences in Economic Equilibrium Theory"Japanese Economic Review. 51・4. 583-595 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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