研究概要 |
平成12年度は土地資産市場及び土地賃貸市場における理論モデルを構築するために,不動産事業者,業界団体に対してヒヤリング調査を実施し,土地関連市場の参入主体の市場行動に関する情報を収集を行った.これらの情報をもとに,基礎的な静学モデルを構築し,簡単な比較静学分析を行っている. 1.不動産事業者,業界団体等に対するヒヤリング調査では,バブル期の金融機関,機関投資家,デベロッパーの投資行動,資金調達方法,およびバブル期以降の変化などについて情報を提供していただいた. 2.土地所有権の売買市場である土地資産市場,不動産賃貸サービス市場,その他の財・サービス市場を想定し,それぞれの市場で家計,一般企業,デベロッパー,金融機関の行動を定式化した.ここでは簡単化のため,効用関数,生産関数にコブ-ダグラス型の関数を使用している.また,総量規制については金融機関の行動に政策パラメータを入れ,その変化によって地価抑制策が市場に与える影響を考慮できるよう配慮している. 3.理論モデルは陽表的に展開することが困難なため,関数のパラメータを特定化した上で,数値解析を行う必要がある.そこで,そのパラメータを特定化するために,実際の取引データを用いて,土地関連市場の需要関数,供給関数を推定している.
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