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2000 年度 実績報告書

非営利規制が医療機関の参入および機会主義的行動に及ぼす影響の理論的・実証的分析

研究課題

研究課題/領域番号 12730042
研究機関上智大学

研究代表者

青木 研  上智大学, 経済学部, 講師 (70275014)

キーワード医療法人 / 非営利組織 / 非分配制約 / モラル・ハザード / 品質プレミアム / 法制度としての非営利 / 動機としての非営利
研究概要

「医療の非営利性」は日本の医療供給体制の根本を成す大原則である。ところが、近年の規制緩和に関する議論では、この原則に変更を迫る「企業による病院経営」が検討されている。本年度の研究では、規制緩和の影響を分析するために、非営利規制の有無で何が変化するのか、そして、非営利規制は有効なのか、について理論的に検討した。
はじめに、規制緩和の前後で変化するのは、剰余金を分配できるかどうか、すなわち非分配制約の有無であることを確認した。資金調達の手段なども変化するが、本質的に変化するのは非分配制約である。
次に、規制緩和の議論に見うけられる混乱を整理する意味で、「法制度としての非営利」と「動機としての非営利」を区別することを提案した。規制緩和によって変化するのは、前者の「非営利」概念のみであり、規制緩和によって病院の動機まで変化するわけではない。
最後に、非分配制約は病院のモラル・ハザードを防げるのか、という点についてモデル分析を行った。その結果、1)非分配制約規制は、品質プレミアムを抑えることで、低い価格でモラル・ハザードを防止する効果を持つ。しかしながら最終的には、2)非分配制約規制は最大限うまく機能したとしても、規制が無い場合と高々同程度の効果しかないことを示した。
これらの成果をもとに、来年度は(イ)非営利規制は「営利動機」での参入を防ぐ効果があるのか、(ロ)現状の非営利規制のある状況下で、医療機関の行動は「非営利目的」と見なせるのか、などを実証的に検証する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 青木研: "An Essay on Selectivity Bias in the Estimation of Medical Care Demand."Sophia Economic Review. Vol.45 No.1,2. 23-38 (2000)

  • [文献書誌] 青木研: "患者の医療施設選択行動と医療費の地域格差"医療費の地域差と受診行動・薬剤使用の地域差に関する研究報告書. (予定). (2001)

  • [文献書誌] 青木研: "「非営利規制と医療機関の行動」『日本医療の規制と競争』"(予定).

  • [文献書誌] 青木研: "「医療の質と情報」『日本医療の規制と競争』"(予定).

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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