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2000 年度 実績報告書

18〜19世紀ブランデンブルク農村下層民の定住・生活史に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 12730050
研究機関成城大学

研究代表者

飯田 恭  成城大学, 経済学部, 講師 (20282551)

キーワードドイツ / ブランデンブルク / 18世紀 / 近世 / 農村 / 農民 / 農村下層民 / 定住
研究概要

(1)土地制度史学会2000年度春季総合研究会(6月24日,東京大学)において,「近世後期ブランデンブルク農村における家族・親族・階層-ルピン郡の事例を中心として-」と題する報告を行った。またこれをもとに,「18世紀ブランデンブルク農村における家族・親族・階層-ルピン郡の事例を中心として-」と題する論文を執筆し,学術誌『土地制度史学』に投稿,現在審査中である。この論文では,ルピン農村を事例に取り,一子相続制農村社会の再生産過程を,特に,農村子弟が世代継承(結婚・相続)にともない,階層分化を遂げつつ,土地・住居を取得して行く過程に焦点を当てながら,詳細に分析した。その際,従来中欧の一子相続制農村について,東欧との対比の観点から,親族の地理的・階層的分裂傾向(個人主義化)が強調されてきたのに対し,本論文では,特に農場保有者層の子弟による土地・住居の取得がむしろ親族間の連帯を有効かつ不可欠の媒介としながら実現して行ったことを実証した。つまり,農場保有者(相続人)は,(1)農場の非相続権者である親族との結婚を通じて,彼らのために農場への婚入機会を確保し,彼らの下層民(土地なし層)への下降を防ごうと努力する(親族の階層分裂の阻止)とともに,(2)農場の非相続権者でありしかも農場に婚入し得なかったために,下層民への下降を余儀なくされた親族に対しても,自らの農場や自らの居住する村落の一画に小屋を建設しつつそれを優先的に提供し(親族の地理的分裂の阻止),また彼らに対する救貧負担をも引き受けたのである。
(2)博士学位論文『ブランデンブルクの農民-その経営と心性1648-1806年-』(1999年2月,東京大学より学位授与)を(1)で得られた成果を組み込みつつ改訂し,そのドイツ語訳を行った。現在,ドイツ語での出版を目的としつつ,ドイツ語圏出身者に校閲を依頼している。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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