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2000 年度 実績報告書

沖縄における公共事業改革と環境保全型経済の創造をめざす財政政策の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12730059
研究機関滋賀大学

研究代表者

只友 景士  滋賀大学, 経済学部, 講師 (30303762)

キーワード沖縄振興開発政策 / ヤンバル / 環境保全型経済 / 公共事業 / 持続的発展 / 石油価格調整税 / 地域開発 / 泡瀬干潟
研究概要

本研究の題目にある「公共事業改革と環境保全型経済の創造」は、沖縄にとって焦眉の課題である。本研究は、本土復帰からこれまで展開されてきた振興開発政策を検証し、代替的な沖縄の地域経済の発展を支える財政政策のあり方を検討することを課題としている。
平成12年度の調査研究活動の概要は、次の通りである。第一に、沖縄振興開発政策の理論的・思想的な背景を明確にし、わが国の地域開発政策の歴史の中で、沖縄振興開発政策がどのように位置づけられるのかについて調査研究を行ってきた。如何なる経済開発の理論と思想に基づいて、沖縄振興開発政策が策定されてきたのかについて、復帰前後の資料収集並びに関係者へのヒアリング調査等を行った。第二の課題は、沖縄における公共事業の実態調査である。地域開発を目的として、計画が進められている沖縄市泡瀬地区埋立事業について、事業者(沖縄市)と環境保護グループの双方のヒアリングと資料収集を行った。この泡瀬地区埋立事業は、沖縄市当局の地域開発戦略と沖縄本島最大の干潟保全を進める環境保全運動が、鋭い対立を示している事業であり、沖縄の公共事業依存型の地域開発戦略が、環境問題を引き起こすと懸念される事例である。地域の雇用創出政策として埋め立てによる地域開発が選択される財政システム上の問題が明らかとなるとともに、中城湾港開発という国の沖縄振興開発政策の枠組みに取り込まれると地域の自主的な選択肢が狭められるという沖縄振興開発政策の制度的な限界が明らかとなった。第三の課題として、沖縄本島北部のヤンバル地域の持続的発展に関する研究を行った。ヤンバル地域の社会・経済構造に関する調査、ヤンバル自然公園構想に関する調査を行った。ヤンバル地域で進められた振興開発政策と自然環境の実態についても現地調査を行った。振興開発政策が、ヤンバルの自然環境に大きな負荷をかけてきたこと、雇用を確保しながら自然環境を保全する地域経済政策が求められていることが明らかとなった。第四の課題は、離島における石油価格安定化政策に関する調査である。沖縄県では、法定外普通税として、「石油価格調整税」を徴収し、それを財源に「県内離島石油製品価格調整補助制度」を実施している。復帰特別措置として継続されている石油価格調整税と補助制度の実態とその財政的、地域経済的な意義について調査研究を行っている。こうした調査研究を通じて、沖縄における公共事業改革の課題を明らかにするとともに環境保全型経済の創造の可能性について、財政学の視点から研究を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 宮本憲一,佐々木雅幸 編: "沖縄21世紀への挑戦"岩波書店. 288 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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