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2000 年度 実績報告書

新興市場における多国籍企業の市場行動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12730067
研究機関神戸大学

研究代表者

黄 りん  神戸大学, 経営学研究科, 助教授 (40225363)

キーワード新興市場 / 現地調達 / 現地市場指向 / EMS / 与信管理 / 代金回収 / 市場浸透戦略 / 戦略的製造拠点
研究概要

今年度は研究計画に従い、日本企業の本社を中心にヒアリングを行った。ITビジネス、自動車、建築材料、日用雑貨などの業種の企業の中国事業担当者から、中国市場戦略、中国現地法人の戦略的位置付け、現地での販売活動、現地からの輸出活動および部品調達の現状と問題、広告・営業活動、代金回収などについて一次情報を収集した。また、平成12年9月には上海市と長江デルタ地域の都市を訪問調査した。現地調査では、日系自動車部品工場、有力な国有企業や欧米企業の現地法人などを調互した。さらに中国での外資系企業に関する各種研究資料を収集し、整理した。
現時点では、いくつかの新しい事実を発見した。(1)日本の自動車部品メーカーのように、かなり遅い時点で対中投資したが、「現地市場指向型」戦略のもとで中国現地市場で高い市場シェアを占めることに成功したケースがある。そのマーケティングは、欧米企業の現地法人をターゲットとして高いブランドイメージを生かした高価格戦略のもとで成功を収めている。このようなケースはかなり多くの業界で見られるではないかという仮説を導き出すことができる。
また、中国現地法人の工場で複数の関連企業や複数の製品ラインを同時に生産できるような柔軟な生産システムを構築しているケースもある。注目されているアメリカや台湾のEMSと同様な機能を果たすこれらの現地工場は高い競争力を維持するためには、現地調達率をいっそう高めることが必要とされている。今後の研究では、戦略的製造拠点としての中国現地法人における現地調達、現地販売、輸出と現地法人の経営業績の関係を解明する上で重要な発見である。
調査した企業は与信管理と代金回収についての問題をうまく対処しているが、現地企業への販売という市場浸透が阻害されていることも発見した。その実態と対処の方策を明らかにすること、現地での市場シェアが高い欧米企業の実態もさらに解明する必要がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 黄りん: "マーケティング資源の国際移転について"国民経済雑誌. 182-1. 69-83 (2000)

  • [文献書誌] 黄りん: "WTO加盟と中国の流通業"日中センター四季報. 44. 1-9 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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