企業の人的資源管理の一環としての、大卒ホワイトカラーの人事異動・配置転換の研究は既に数多い。だが、人事異動の主目的の1つとして「人材育成」が位置付けられている一方で、それと密接な関係を持つと考えられる組織学習論と対応させる研究は決して多くない。そこで、 (1)既存研究のサーベイを行うことによって、理論的に組織学習論と人事異動・配置転換との研究の接点を探る収り組みを行った。(著書『組織学習と組織内地図』の一部と、紀要『南山経営研究』にその成果を公表) (2)既に蓄積されたデータ(SSJアーカイブデータ)を用いて、適切な人事異動のあり方を考察した。(現在まだ分析中。来年度の投稿を計画中。) (3)企業数社の人事制度についてヒアリング調査を行い、人事異動の頻度や人事制度の基盤となっている考え方を学習した。 (4)配置を考えるにあたっては、個々の組織メンバーの特性や考え方、行動の違いを把握することが重要であると考え、その一つの手がかりにする目的で、ホワイトカラー予備軍である大学生(愛知県下の4大学の学生約700名)に質問票調査を実施して、分析を行った。(紀要『人間関係研究』にその成果の一部を公表。現在、印刷中。また、2001年度5月には、レフェリー・ジャーナル『経営行動科学』に投稿予定。) (5)また現在は、(1)から(4)を総合して、企業の大卒ホワイトカラーを対象とした質問票調査を行うための、質問票の作成を実施中である。
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