今年度の研究では、1)実際の企業における業務系システムについて、我々の提唱する履歴ベースシステムとリレーショナルデータベースによってシステムを実装し、その比較を行うこと、そして、2)履歴ベースにおけるユーザインターフェースの構築、の二つを目的とした。 まず1)については、ある肉の卸問屋における受発注システムを対象に研究をすすめていった。そこでは、業務分析、リレーショナルデータベースの構築、履歴ベースの構築、業務処理プログラムの開発を行った。実際のシステムを実装する中で履歴ベースに関する利点・欠点が、リレーショナルデータベースとの比較において明確になり、履歴ベースのさらなる改善に貢献できた。この研究成果はビジネスマイニングワークショップにて報告を行った。この会議では企業からの参加も多く、履歴ベースに対する関心は高く、今後の導入も含めて実際に利用したいとの申し出が多くあり、履歴ベースの今後の更なる普及へのステップとして期待できる。 また履歴ベースを用いたデータマイニグ研究の研究も同時に継続して進めていき、履歴ベースを基礎とした新しいデータマイニグツールの開発をおこなった。その成果はSSGRRW(イタリア)にて報告をおこなった。 また2)についてであるが、まずは、テキストベースでの簡単なユーザインターフェースの構築を行った。これは本格的なGUI構築における詳細仕様を確定するためにおこなった。しかしながら、本格的なGUIの開発には専門技術を有した人間との共同開発が必要であり、実現には至っておらず、今後の課題としたい。 以上のソフトウェア開発に関する成果は全て以下のホームページにて公開した。 http ://www.adm.osaka-sandai.ac.jp/~musashi/index.html
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