本年度は、ストックオプション等株式関連報酬の会計処理について.株価を意識した経営スタイルという観点から考察した。その際、合併・買収など企業組織の再編成との関わりを検討対象とした。 まず、株式関連報酬が付与された場合に費用を認識するのか、認識するならばどのように測定するかについて考察した。その際、オプション価値を公正価値で評価し費用認識する考え方をとりあげ、報酬だけではなく株式による支払一般について論理を組み立て、事例分析を行った。さらに、新株方式と自己株式方式については、両者を整合的に扱う会計処理を検討した。日本では商法により自己株式の取得を資産の取得と同じとみていることに注意し、国際比較を行った。その結果、自己株式の取得を資本控除とみて、再売却を新株発行と同じにみるべきであるという結論に達した。 企業組織の再編成との関わりについては、ストックオプションがコーポレートガバナンスの改善に役立つことに注目し、コーポレートガバナンスの視点で合併・買収や持株会社制度について考察した。合併・買収の際にストックオプションがどのように活用されるか、また持株会社における利用状況について検討した。
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