研究概要 |
1.Pure braid群のpresentationについては特に研究成果はあがりませんでした。 2.SU(3,C)のすべての有限部分群Gに対してG-Hilbert scheme Hilb^G(C^3)を具体的に求めることを目標としている。その第一歩としてcoinvariant algebra S_Gの既約分解を、8個の散在的に存在する群と2つの主な系列の群に対して得ることができた。またSO(3,R)の有限部分群に対しては2次元の拡張とも言うべき興味深い結果が得られた。一般にSL(3,C)の有限部分群Gに対してHilbert-Chow morphism π:Hilb^G(C^3)→C/GがC/Gの特異点解消であることがわかっているが、特にGがSO(3,R)の有限部分群の場合、原点のfiberπ^<-1>(0)はP^1達で構成されることがわかった。そして、その双対グラフはGの表現グラフから単位指標に対応する頂点を取り除いた部分グラフに一致することがわかった。この現象はSU(2,C)の有限部分群の場合に原点のfiberの双対グラフや表現グラフの部分グラフにADE型のDynkin図形が現れた現象と酷似している。さらにSU(2,C)の有限部分群に対しては各既約指標に対して定義されるMolien seriesがある種の等式を満たすことがSpringerやMcKayに指摘されているが、その3次元における類似がSO(3,R)の有限部分群に対しても成り立つことがわかった。しかもこの等式を制御しているものはSU(2,C)の有限部分群の場合ADE型のDynkin図形であったのに対し、SO(3,R)の有限部分群の場合はその対応する表現グラフである。
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