研究概要 |
本研究では、有限環上の代数的符号理論(特に、自己双対符号)とユニモジュラ格子および組合せデザインの関係についての研究を行なった。 偶ユニモジュラ格子の構成を目的としてZ_<2κ>上の極値的自己双対符号の構成をした。特にκ=3のケースにおいて深く調べ、長さ24、32、40、48において多くの新しい極値的自己双対符号が構成された。これらが作る極値的偶ユニモジュラ格子については調べることは今後の研究課題のひとつである。また色々な他の研究分野(例えば有限群など)においても登場する24次元の有名な格子であるリーチ格子についての研究も行なった。Chapmanがこの格子において各ノルムにおいて直交フレームが存在するかどうかを調べたが、ある一部分のみ未解決だった。この未解決な部分を長さZ_<2κ>上の極値的自己双対符号を考えることによって解決してリーチ格子には4以上の各ノルムにおいて直交フレームが存在するという事実を証明することが出来た。 デザインとの関係については2元体の長さ50の自己双対符号を考えることにより、新しい擬対称2-(49,9,6)デザインの構成に成功した。また、アダマール行列とZ_4上の自己双対符号の関係についての考察も行なった。 その他にも、ユニモジュラ格子やデザインとの関係に因われずに、あらゆるタイプの有限環上の自己双対符号についての研究も行なった。例えば、タイプIVと呼ばれる自己双対符号や形式的自己双対符号についての研究も自己双対符号の一般化ととらえて行なった。
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