研究概要 |
集合値解析的ゲーム論からの最適経営戦略均衡解の研究について,平成12年度は平成11年度まで行ってきた基礎研究成果をもとに,集合値解析的ゲームモデルの基礎理念や評価基準の確立について研究をおこなった.その結果,主に以下の4点について研究結果を得た. 1.集合値解析的ゲームモデルにおける評価基準の確立のために,集合値写像に対して新たな半連続性の概念を導入し特徴付けを行い,従来からの上半連続や下半連続との関係を調べた. 2.研究対象のゲームモデルとしては分数形損失関数をもったゲームを選び,特に2人ゼロ和ゲームに対して研究を行った.この研究ではある特別なパラメータを導入したオリジナルなパラメトリックゲームを構築し,このゲームモデルの解析を通してもとのゲームの均衡解の存在性を議論し,ある均衡解の解法結果を得た. 3.2でのゲームモデルにおいて,計算機上で均衡解のシミュレーションを行い視覚的な理解を下に研究の裏付けを行った. 4.こらは現段階も継続中であるが,上記での集合値写像の半連続性の性質や分数形損失関数を持った2人ゼロ和ゲームの解法をもとに,更に複雑な分数形損失関数をもった集合値解析的ゲームモデルを構築し,制約式が集合値写像で表されている場合の均衡解の解法結果を研究中である.
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