1.東京理科大学大学院生のP.Pipolo氏との共同研究で、一般化されたカドムチェフーペトヴィアシュヴィリ方程式(KP方程式)の孤立波解が解析的であることを得た。P.L.Lions氏のCompensated compactnessの方法を孤立波解の存在を証明するために用い、解の各階の導関数を帰納法を用いて評価する方法を解の解析性を示すために用いた。 2.九州大学大学院の小川卓克氏との共同研究で、空間1次元の二次の非線形項をもつSchrodinger方程式において初期値が負のソボレフ的特異性を持つようなあるクラスに入っているとき、解が時間が経つと時空間変数に関し解析的になることを示した。解の存在を証明するために、Kenig-Ponce-VegaのBilinear評価を用い、解析性を示すのに平行移動の生成子を用いた。 3.メキシコ・ミチョアカン大学のP.Naumkin氏、E.Kaikina氏、九州大学大学院の小川卓克氏との共同研究で、Benjamin-Ono方程式において、1点に特異性がある初期値に対する解が時間が経つと実解析的になることを証明しようとしている。現在ほとんど完成しているが、解の存在の証明で修正を要する部分が若干あり、来年度の課題となっている。
|