1.東京理科大学大学院生のP.Pipolo氏との共同研究で、一般化されたカドムチェフーペトヴィアシュヴィリ方程式(KP方程式)の孤立波解が解析的であることを得た。P.L.Lions氏のCompensated compactnessの方法を孤立波解の存在を証明するために用い、解の各階の導関数を帰納法を用いて評価する方法を解の解析性を示すために用いた。 2.メキシコ・ミチョアカン大学のP.Naumkin氏、E.Kaikina氏、九州大学大学院の小川卓克氏との共同研究で、「Benjamin-Ono方程式において、1点に特異性がある初期値に対する解が時間が経つと実解析的になること」の証明を完成した。昨年3月の段階では、解の存在の証明で修正を要する部分が若干あり、今年度の課題となっていたものである。 3.フランス・パリ南大学のJ.C.Saut氏、九州大学大学院の小川卓克氏との共同研究で、「Zakharov-Kuznetsov方程式において、1点に特異性がある初期値に対する解が時間が経つと実解析的になるか」という問題を考えた。ある程度のことは出来そうであるが、詳しい証明等は本研究の期限内には行うことが出来なかった。
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