熱伝導効果がはいった2次元磁気流体コードによる太陽フレアのシミュレーションについては広範囲にわたるパラメータサーベイを行い、その結果をAstrophysical Journalに投稿・出版した(Yokoyama & Shibata2001)。またコードに改良を加えてあらたに放射冷却効果を導入した。これによりフレアのもっとも明るい相から冷却して暗くなっていくまでを一貫して追うことが可能になった。実際数百万度まで熱せられたプラズマ(X線で観測される)が数十万度まで冷却される過程(紫外線で観測される)を実現した。また、実際の観測と直接比較することができるようにもなった。これらの結果をあわせて日本天文学会2000年秋季年会にて講演報告した。さらにフレアの実際観測においても、磁気リコネクションの直接証拠のひとつである流入流を世界ではじめて発見した。こちらも投稿・出版した(Yokoyama et al.2001)。そして共同研究として、シミュレーション結果をコロナプラズマ放出現象(CME)にともなって発生する電波メートル波II型バーストの解釈に応用するモデルづくりの議論に参加した(Magara et al.2001として出版)。3次元コードについてはまだ開発中で並列計算機での実行を視野におさめつつ、つくっている。
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