本検出器は細長いプラスチックシンチレーターの束に長手方向から硬X線を入射させその散乱方向を調べることで偏光面を検出する。ここで最も重要なのが、散乱体であるプラスチックシンチレーターの感度をより低エネルギーまでのばすことである。このため、本年はシンチレーターの表面状態、および、反射材を実験を通じて検討し、反射材としてバルカーテープを用い、鏡面研磨を行った場合、最良の結果を得ることができた。また合わせて断面積を変化させた場合の影響を調べた。 多チャンネル読み出しが必要なため、当初バイキングチップを用いることも考えたが、実際に読み出すチャンネルが2チャンネルですむことに気づき、従来の基板技術で十分に機能させられることに気づいた。現在、設計に基づき、回路と製作中である。 これらの結果をふまえ、シミュレーションを用いてかに星雲の偏光検出の可能性を調べたところ、幾何学的面積が200cm^2あれば一回の気球実験によって有意に検出できることがわかった。来年度から検出器を1素子構築することを検討している。
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