金属表面の表面電子状態は、表面に局在しているため、金属表面での原子・分子の吸着、脱離、解離といった動的過程に大きな役わりを果たすと考えられる。しかし、表面準位と吸着種の動的過程の関係についての研究は少なく、詳細は不明である。本研究は、金属表面上での原子・分子の振る舞いにおける表面電子状態の役割を明らかにすることを目的とする。 Pd(111)清浄表面では、フェルミ準位上近傍に表面準位(ショックレー状態)が存在する。この表面準位が原子・分子の吸着によってどのように変化していくか、そのエネルギー準位を測定するために、Pd(111)の清浄化、及び水素などの吸着種分子の超高真空チェンバーへの導入に対し、信頼のおけるガスラインを確保する必要がある。そのため、ターボ分子ポンプによって排気できるガスラインを作製した。超高真空チェンバーへの導入は3ポートとした。
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