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2000 年度 実績報告書

サイクロトロン共鳴による強相関電子系物質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12740198
研究機関東北大学

研究代表者

小山 佳一  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70302205)

キーワードサイクロトロン共鳴 / 少数キャリヤー系物質 / 強相関電子系 / 強磁場 / 低温
研究概要

少数キャリヤー系物質であるランタン・モノプニクタイド(LaX,X=N,P,As,Sb,Bi)及びガドリニウム・モノプニクタイド(GdX)について、周波数50〜280GHz,温度0.5K〜、磁場〜14T でのサイクロトロン共鳴実験を中心に行った。以下にこれまでに本研究で得られた成果を述べる。
(1)La系:LaSbでは、α-branchフェルミ面のキャリヤーによるサイクロトロン共鳴の観測に成功し、有効質量を0.51m_0と見積もった。この値は既報のdHvA効果から見積もられた値よりも約2倍大きい。一方、LaBiでも同じα-branchの有効質量が求められたが、得られた値0.33m_0はdHvA効果から求められた値とほぼ同じである。
(2)Gd系:GdAsでは、β-branchフェルミ面のキャリヤーによるサイクロトロン共鳴の観測に成功し、有効質量を0.45m_0と見積もった。この値もLaSb同様、既報のdHvA効果から見積もられた値よりも約2倍大きい。さらに、GdSb,GdBiについてもサイクロトロン共鳴が観測され、これらの有効質量は0.7〜0.8m_0であった。しかし、dHvA効果からGdSb,GdBiのすべてのフェルミ面に対する有効質量は見積もられておらず、現在dHvA効果測定の準備を進めている。
以上のように希土類がLaやGdのような4f電子を持たない又は結晶場の影響を受けないような物質においても、プニクトゲンの違いによって必ずしもサイクロトロン共鳴から求めた有効質量とdHvA効果から求めたそれとが一致しないことが本研究によって明らかになった。現在のところその機構解明にはいたっていないが、さらに系統的研究を進めるとともに、CeSbなどのいわゆる"強相関物質"についても調べる予定である。
(3)希釈冷凍機を用いたESR・サイクロトロン共鳴装置開発において、160mKでの測定に成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] K.Koyama, 他: "Magnetic resonance of GdAs"Physica B. 281&282. 456-457 (2000)

  • [文献書誌] K.Koyama, 他: "Cyclotron resonance of GdAs"Journal of the Physical Society of Japan. 69. 3425-3428 (2000)

  • [文献書誌] K.Koyama, 他: "Antimagnetic resonance and magnetic structure of GdAs"Journal of the Physical Society of Japan. 61. 1521-1524 (2000)

  • [文献書誌] M.Yoshida,K.Koyama, 他: "Cyclotron resonance of LaSb"Journal of the Physical Society of Japan. 69. 3629-3632 (2000)

  • [文献書誌] K.Koyama, 他: "ESR and CR of Gd monopnictides"Physica B . (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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